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職業紹介
7.事前協議の必要性(アグリーメント)
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1.欧米では
すでに、欧米では、税金に纏わるわれわれ国民すなわち、納税者のために、その権利を明確に謳った、「納税者憲章」が、施行され、課税当局からの不当な徴税に対抗し、納税者の権利を保護する為に、 その利用が図られているといわれております。
また、イギリスなどでは、課税当局と納税者の代理人たる税理士との間で、法令や通達からはずれた取引行為の税務上の扱いをめぐって、現場サイドで、法律レベルの処理が決められ、それが判例と同等程度の効力をもつような実務的運用を図っている国もあります。
しかし、我が国では、こうした税金の先進国に較べ、上記のような制度は取り入れられておらず、まだまだ制度的に立ち遅れているとの指摘が、専門家の間で指摘されています。
そうした前近代的慣行の払拭されない税務の環境のなかで、すでに、一部専門家や実務家のなかから、課税当局に対して、申告以前において、事前に協議・合意を図ることにより、将来の当局との見解の相違によるトラブルを回避しようとする方法として、事前協議ないし事前確認が推奨されてきています。欧米では こうしたアグリーメントを制度レベルまで押し上げいわゆるアドバンスルーリングという言われ方もしているようです。
2.わが国の税法固有の問題
すでに、触れてきたように、税務には、法令や通達による解釈・適用からしても、対応しきれない取引が、ありえます。もっとも、通達というのは、法律ないし、法令の国税当局による解釈であり、これには、一般に公表されているものといわゆる「内部通達」として、課税庁内部での統一を図るために出されているものとが、存在するといわれ、税法学者の通説からいえば、通達は、法令とは異なり、法的拘束力はないと解釈されております。
しかし、社会全般において、遍く発生する法人・個人の経済行為には、膨大な法令・通達をもってしても、すべてをカバーするには、自ずと限界があることは、当然で、その結果、これらの法体系から逸脱ないしはずれた取引が納税者にとっても、課税当局にとっても、さらにわれわれ税理士にとっても、課税の有無をめぐって、解釈・適用上の問題が生ずることになります。いわゆるフリンジ・ベネフィット(経済的利益)に対する課税問題がここから発生する訳です。
上記の法令体系の物理的限界のほか、税務の世界には、さらに税法固有の解釈方法をめぐる問題もあるわけです。 税法というのは、憲法を頂点とする我が国の法体系のなかでも、ある種特有の地位を占めます。 つまり、法律には、私人間の契約・取引を対象とする私法・・・民法や商法・・・がある一方、行政法のように 国や地方公共団体の行動の基準となる公法という分野とに大きく分けられます。
ところが、税法という法体系は、私人であり、納税者であるわれわれ国民の義務であるところの「納税義務」を規定した法律であるという私法としての側面と国家機関の一部たる課税庁が国民に対して、課税する権利を規定したものであるという公法としての側面を併せ持った法律であるということが、他の法律とは、異なる特質をもったものであるということがいえましょう。
しかも、税法は、法人・個人を問わず私人間の経済取引を対象としている点でも、いわゆる経済法としての特徴をもった特異な法律であるといえます。そして、税率や所得・消費・貯蓄といった課税対象をシフトすることにより、経済社会全体に大きく影響を与えるものであり、いわゆるビルトイン・スタビライザーとしての機能をも併せ 持つ点でも、極めて異質かつ重要な法律でもあります。
このように、税金をめぐって、国と個人との権利義務を規定した法律であること、経済取引を対象とし、経済社会に対する影響力をもった法律であることが、税法固有の複雑かつ難しい問題を内包していることにつながっているわけです。
3.同族会社の行為計算否認規定
すなわち、税法は、法律でありながら、法人・個人間でおこなわれるあらゆる経済行為を対象としている為、経済的実質に判断の基準をおいているという点で、極めて特徴的であることです。このことを「実質主義の原則」とか、 「経済的観察法」とか呼んでいます。
およそ税法では、民法上、あるいは、商法上妥当と認められる取引であっても、税法上の解釈として、異常・不自然で、租税を逃れるために行われるために行われたものであると判断される場合、これを通常の取引に引き直して、本来あるべき正常な課税をおこなうべしとの考え方が、法律に盛り込まれているということです。とくに有名な のが、「同族会社の行為計算否認規定」です。
法人税法第132条には、
「税務署長は、次ぎに掲げる法人に係る法人税につき更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは 欠損金額又は法人税の額を計算することができる。・・・以下、省略」
と規定され、お手盛りによる恣意的計算が行われやすい同族会社について、「実質課税の原則」を担保すること を明記しています。
したがって、このような面からも、自分たちがなした取引行為について、税法上、適正なものか否か、事前に当局 と協議したうえでの申告・納税の必要があるということでもあります。
4.税務行政監察結果報告書
1
)
総務省による税務行政監察結果報告書の
指摘事項
戦後一貫して続いてきたこれまでの税務行政について、実に35年ぶりに総務省による税務行政監察が行われた。その結果として、平成12年11月総務省から税務行政監察結果報告書が公表公表された。
観察結果における改善指摘事項は主に以下のようなものであった。
@
法令解釈通達の迅速化の必要性
A
「質疑応答」及び裁決公表の拡充の必要性
B
事前通知
C
調査結果通知
2)当局の対応
この
税務行政監察結果報告書を受けて、国税庁は
、
事務運営指針の公表(平成13年6月(廃止)
/
14年7月(現行))
を行ってきている。さらに、「個別の取引等に関する照会が多数の納税者の方々にも関係するような場合に、事前照会に対する税務上の取扱い等を文書により回答するとともに、その内容を公表することにより、同様の取引等を行う他の多数の納税者の方々に対しても税法の適用等について予測可能性を与えることを目的として文書回答を行うことを明らかにし、その内部事務手続等を定めたものであります。」として、
事前照会に対する文書回答について
を公表している。 (
国税庁ホームページより
)
3)
税理士会の建議書
当局の以上のような対応について、
日本税理士連合会では、「平成16年度・税制改正に関する建議書」において、
「その対象は非常に限定され、特に「その業種等に共通する取引等に係る照会で多数の納税者から照会されることが予想されるもの、又は、反復継続して行われる取引等に係る照会で不特定多数の納税者に関わるものであること」としており、「特定の納税者の個別の事情に係るもの」については対象外であること明らかにしている」
との点で、国税当局の対応が未だ限定的で不十分である」との見解を示している。
(
「平成16年度・税制改正に関する建議書」日本税理士連合会編より抜粋
)
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