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1.独立のすすめ(ビジネスプラン) 2.株式会社設立手続きの流れ
2-2.会社設立のメリット・デメリット
3.役員報酬の決定 4.役員退職金の決定 5.銀行との取引 6.出資・株式払込事務取扱の問題 7.放漫経営 8.中小企業助成金制度の概要
9.中小企業のための公的支援制度
10.業種別の平均役員賞与
11.中小企業再生円滑化税制(所得税法第64条第2項の運用見直し 12.新事業創出促進法・最低資本金規制特例 13.平成15年改正税法 @相続時精算課税制度の創設 A相続税・贈与税の改正税率 B土地・住宅税制の改正 C住宅取得資金等に係る相続時精算課税の創設 D消費税制の改正 14.個人加入の生命保険の名義書換
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1.過大な役員退職給与の損金不算入
役員退職金について、法人税法では、過大役員退職金の規定が存在し、一般的な常識を超えた過大な退職金については、その超える分を損金不算入としております。これは、特に、同族会社について、役員の退職金が、お手盛りになる傾向が強いとの判断から規定されたものです。(法人税法第36条 過大な役員退職給与の損金不算入)
過大役員退職金がどの程度であるかの判断については、
1)その役員が法人の業務に従事していた期間
2)退職の事情
3)その法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する退職給与の支給の状況
等に照らし、相当であると認められる金額(法人税法施行令第72条 過大な役員退職給与の額)が、基準となり、その額を超える部分の金額は、損金不算入とされ、否認された過大退職金相当額について、法人税が追徴課税されるというものであります。
2.税務調査のポイント・・・役員退職金算定の根拠は何か?
役員退職金について、税務上問題となるのは、「どのような根拠に基づいて退職金が支給されたのか?」という点です。
とりわけ、イ)役員在任期間と歴任役位 ロ)退職の理由 ハ)同種同規模会社の支給状況 二)会社に対する貢献度 などが、調査対象項目として注目されます。
したがって、これらを具体的に証明するための資料として、「役員退職慰労金規定」及び「議事録」が、極めて重要となります。商法上、役員退職金についは、株主総会の専決事項とされます(商法第269条 取締役の報酬)ので、株主総会の決議をもって決定することが必要であり、このことは、同時に税務上もその支給を決定した際の「株主総会議事録」がないと認められないこととなります。(法人税法基本通達9−2−18 役員に対する退職給与の額の損金の算入時期)
特に、次の点は、最低限銘記しておく必要があります。
1)役員退職慰労金の決定方法
役員退職慰労金は、株主総会の決議に基づき、取締役会が決定した額であること。または、死亡・病気など緊急時においては、取締役会が決定し、株主総会で承認された額であること。
2)役員退職慰労金の「基本金額」の算出方法
一般的には、退任時の最終月額報酬を基礎とする功績倍率法が採用されていますが、それ以外にも、いくつかのバリエーションがあります。
@最終月額報酬×役員在任年数×最終代位係数(功績倍率)
A最終月額報酬×役員在任年数
B最終月額報酬×役員在任月数×最終代位係数
C最終月額報酬×役員在任年数別支給倍率
D最終月額報酬×役員在任年数×最終代位係数(功績倍率)+功労加算金
E最終月額報酬×役員在任年数×最終代位係数(功績倍率)+功労加算金+特別功労金
F1年あたり平均法
なお、これらのうち、@ないしAがポピュラーな方法といわれますが、「最終月額が役員の在任期間を通じての会社に対する功績を適正に反映したものでない場合・・・特段の事情がある場合には、最終月額を基礎とする功績倍率を用いて算定する方法は妥当ではなく、最終報酬月額を計算の基礎としない1年当たりの退職給与の額によって算定するのがより合理的な方法と認められる。」とする国税不服審判所の裁決事例(昭和61年9月1日裁決)もあるので、ご留意ください。
3)役員退職慰労金の「代位別支給係数」
上記役員退職慰労金の「基本金額」の算出方法の算定式のち、もっとも注目されるのが、「代位別支給係数」いわゆる「功績倍率」です。1991年2月期の統計誌「収録245社・役員の退職慰労金」政経研究所編では、全産業・全規模「常勤役員の退職慰労金の功績倍率」によれば、
会長
= 2.9 社長 = 2.6 副社長 = 2.6 専務 = 2.1 常務 = 2.5 取締役 = 2.3 監査役 =
2.4
となっており、従業員100名未満の中小企業では、
会長 =3.4 社長 = 2.4 専務 =
1.6 常務 = 2.4 取締役 = 2.4 監査役 =
2.7
となっています。
創業時からの役員であるオーナー経営者の場合、在任年数が長いため、退職慰労金もかなり高額となるケースが多く、このため、支給倍率を抑えて、功労金や特別功労金制度により、支給額に含みをもたせている規程も増えてきているようです。
なお、税務署は、在任年数の算定において、端数処理をどうしているかも、チェックの対象とする場合もあるようですが、税法上、退職所得控除額の計算で、1年未満の端数は切り上げていることから、特に問題ないと思われます。
4)功労加算金
上述、政経研究所によれば、役員の会社に貢献した功績に対して支給する「功労加算金」は、加算率を用いるケースが多く、そのうち、加算率を30%以内とする会社が最も多く(50社)、次に20%以内(7社)、50%以内(4社)、40%以内(3社)、15%以内(2社)の順となっています。全体の70%の企業が30%以内ということは一応の目安となるでしょう。ただし、前記決済事例にもみられるように、過大退職金の認定は、功労加算金も含めての判定になることも考えて、例えば、功績倍率が「3.0」とされるような場合、代位係数を「2.3」とし、功労加算を「30%」ととし、「2.3×30%
=
2.999」とするような工夫も、必要と思われます。
5)弔慰金や葬祭料その他の支出
役員が在任期間中に死亡した場合、会社の支給する弔慰金や葬祭料・香典、遺族補償料・遺族手当、帰郷旅費などは、退職により支給されるものでも、その性質が福利厚生費、慰謝料その他これらに準ずる費用である場合には、退職給与とはならず、損金として処理できます。
弔慰金にいては、役員退職慰労金規程に別途項目を設け、特に、死亡退職期とは、明確に区別して、支給する必要があります。そうでない場合は、弔慰金は、退職慰労金の一部とみなされ、過大退職金規定の対象となるばかりでなく、相続税でも、課税対象となりかねません。
本来、弔慰金は、法人税では損金扱いであり、所得税や相続税では、非課税所得(所得税法第9条)ないし非課税財産(相続税法第12条)として規定されています。ただし、法人税では、弔慰金として「社会通念上相当な額であると認められる限り、その支給した事業年度の損金に算入」され、所得税でも、「これを受ける者の社会的地位ならびに贈与者との関係などに照らして『相当』と認められる金額」である場合は、非課税である、とされています。
ここで、「社会通念上相当な額」とか「『相当』と認められる金額」という表現が極めて、抽象的な不確定概念であるところから、実務的には、相続税基本通達3−20弔慰金等の取り扱いを準用するところとなっているようです。すなわち、
@業務上の死亡の場合 普通給与の3年分
A業務上以外の死亡の場合 普通給与の半年分
が非課税とされます。したがって、役員退職慰労金規程には、役員が在職中死亡した場合は、上記の範囲内で支給する旨の規定を作成しておくことが、税務上、有利となります。
なお、社葬費用は、「通常要すると認められる」金額を損金に算入することがみとめられています。
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