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1.創設の趣旨
 税務訴訟においては、租税に関する事項につき高い専門性が要求されます。租税手続きにおいても、税務の専門家たる税理士が税理士法上の補佐人として、常に納税者を援助できるようにし、申告納税制度の円滑、適正な運営に資することを目的として平成13年11月の税理士法改正を契機に創設されました。

2.民事訴訟法上の補佐人
 補佐人は訴訟代理人(弁護士)と同様に、裁判所で意見陳述ができますが、次の通りの相違点があります。
(1) 訴訟代理人は単独で出廷できますが、補佐人は本人又は訴訟代理人と共に出廷した場合に限り、訴訟行為(申立てや主張=陳述、等々)が認められます。
(2) 期日外での訴訟行為は、訴訟代理人には認められますが、補佐人には認められません。
(3) 訴訟代理人の法律に関する陳述は、訴訟本人も取り消せませんが、補佐人の陳述は、事実上及び法律上全ての関係で、本人又は訴訟代理人が直ちに取り消した場合には効力を生じません(民訴法第88条2項)。
又、補佐人として関与するには裁判所の許可が必要であり、然もこの許可はいつでも取消すことができます。
(参考)
民事訴訟法 第四節 訴訟代理人及び補佐人
第五十四条 訴訟代理人の資格

第五十五条訴訟代理権の範囲           

3.税理士法上の補佐人
 税理士上の補佐人は民事訴訟法上の補佐人と同様に裁判所の許可を経ず「租税に関する事項について」は税法上の補佐人として裁判に関与できることになりました。
(1) 「租税に関する・・・訴訟には「民対民」や弁理士の侵害訴訟のように原告・被告双方に税理士が補佐人として関与する場合或いは税理士に対する損害賠償事件等が想定されます。
(2) 「弁護士である訴訟代理人と共に」出頭が条件とは、弁理士が「当事者又は訴訟代理人と共に」とは異なります。
尚、本人訴訟の場合、税理士は税理士上の補佐人ではなく民事訴訟法上の補佐人として可能であるので裁判所の許可を要することになります。
(3) 弁理士法では「陳述又は尋問することができる」と明記されていますが、税理士法は「陳述すること」に限定されています。
 然しながら、一般に「陳述」は裁判所に対し、事件の事実上及び法律上のあらゆる点について口頭又は書面で述べることとされていること、「尋問」は裁判所若しくは当事者が、承認又は反対当事者に対して、質問を発し、強制的に返答させることとされており、両者は異なる訴訟行為であるとの解釈もあるので、税理士補佐人制度がどの程度効果的に機能するかは今後の課題となります。

4.従来の税務争訟
 納税者にとって課税庁の処分に不服がある場合、いきなり裁判を提訴することはできず、その原処分庁側(税務署又は国税局)に対し不服申立て(異議申立手続・審査請求手続の2段階)を行うことができます。これを不服申立前置主義といっていますが、この段階まではこれまで税理士は納税者の代理人となることができました(通則法第107条)。
 そして審査請求の裁決に不服がある場合にはじめて訴訟提起が可能となります。
 従来、この段階で代理人は、当然税理士資格もあるとされる弁護士に移っていましたが、税理士が関与するには裁判所の許可を得て「補佐人」(民訴法第60条)となるしかありませんでした。
(1) 租税裁判の判決文を見ると、そこに登場するのは・・・原告・納税者と訴訟代理人弁護士(通常1〜2名)、被告・税務署長、訟務検事、訟務官そして裁判官です。
原告側の訴訟代理人弁護士には税のエキスパートが殆どいないと言ってよい反面、国側は国税局を中心とした税務訴訟関係の専門プロジェクトチームが入れ替わり立ち代りして裁判に対処してきました。
税のプロである税理士が表面に出ることなく、中には法律でもない「通達」そのものが判決文に引用される不公平が放置されてきました。
今般の改正は、そうした流れに新しい潮流が期待されるものであり、画期的なものと受け止められています。
(2) これまでの税務争訟の実態は平成10年度では異議申立処理件数は503、取消件数566、取消率10.33%、同審査請求3286、515、15.7%、平成11年度の税務訴訟判決件数は381、32、8.4%、行政訴訟は1464、295、20.2%%です。
こうした歴然とした差異についてはここ十数年同じ傾向を辿ってきました。

5.税務争訟上の税理士補佐人の選任
 補佐人の機能は[1]当事者又は訴訟代理人が、専門的・技術的知識を有しない場合にその知識を補う機能と、[2]本人に言語能力や聴力の欠陥等があり、その陳述を補う場合とがあります。
税理士補佐人の場合は主として訴訟代理人の専門的能力を補う機能も期待されるので、本人との法的関係は復代理に近い代理人とも解されるし、訴訟代理人と同席する前提からはその代理人とも解されます。
従って選任届けとか代理権限を示す委任状でも可能であるとの見方がなされています。

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